症例紹介

ウサギさん症例集 NO.003  胃拡張と消化管閉塞を併発し5日間全く食べられない状態で来院されたウサギさんのモモちゃん

  • うさぎ
  • 食欲不振
  • 毛球症
  • 胃拡張

今回御紹介するのは、ウサギの加藤モモちゃん・6歳半の男の子です。

 

飼い主様より

我が家のウサギ、モモの体調が悪くなったのは、猛暑真っ盛りの7月でした。

今年は換毛期がいつもより軽くおかしいなと思っていた矢先です。

ただ月初めにかかりつけで定期健診を受けていて特に問題なく元気だったのであまり気にせず数日おきにブラッシングをしていました。

おかしいとおもったのは7月26日のことです。

部屋のすみっこでジッとしている時間がおおくなりいつものペレットもチモシーも食べなくなっていました。

 

 

 

翌朝、病院に電話をすると「危ないかもしれません。すぐ来てください」と言われ病院に。

「軽い脱水とガスがたまっているので整腸剤を出します。大した事なくてよかったですね」と点滴を受けてホッとして帰りました。

 

整腸剤を飲ませましたが食欲は戻らず7月30日にはうんちも出なくなり、

かかりつけもお休みだったので仕方なく夜間救急へ。ウサギは専門ではないので…と言われ栄養注射を打ち整腸剤を続けて下さいとのことでした。

これまでの治療処置がモモのお腹を更につまらせてしまう事になるとはその時は思ってもいませんでした。

 

翌日も症状は変わらず、もういつものうっ滞ではないのでは?と思い慌ててネットでウサギを診てくれる病院を探しました。

そこで見つけたのが可愛動物病院でした。

 

獣医師より

7月31日、5日前より食欲が無くなり、その後排便もなくなった為ご来院されました。

検査の結果、胃内の毛球とガス貯留により胃が張っていることが分かりました。

胃の中のガスを抜く処置を行いましたが、胃の中の毛球が多いためしっかりとガスを抜ききることが出来ませんでした。

さらに、消化管造影検査をおこないました。胃の出口(幽門)に大きな毛球と思われるものが栓をして胃から小腸へ造影剤を全く通さない事が判明。

病名は多量のガス貯留からくる胃拡張及び毛球症による消化管閉塞と判断し治療を開始しました。

 

飼い主様より

モモはかなり危ない状態だったようです。ガスでお腹がパンパンとの事、詰まりが腸を塞いでいると….。

ずっと通っていた病院で大丈夫と言われたのが数日前だったのでショックでした。

ただ、先生がモモの事だけでなく「諦めずに、一緒に頑張りましょう」と私たちのメンタルもしっかりケアして下さいました。

一時はあきらめかけましたが「奇跡が起こるかもしれない….」と先生を信じ、毎日お見舞いに通いました。

その度に「モモちゃん頑張ってますよ」と常に前向きな言葉を頂きました。

 

獣医師より

入院後、初日から4日目まで全く食べられない状態が続きました。

入院2日目に胃から小腸へ胃内の造影剤が少しずつ流れるようになり、胃内のガスの減少も見られました。

流動食と内服薬と輸液の治療を継続しました。

入院6日目は、食欲は戻り毛球便も出始め、状態が戻りました。

 

飼い主様より

 

 

本当に奇跡がおこり入院から1週間で退院することが出来ました。

退院時にはウサギの皮膚に負担をかけない抜毛ケアの方法を教えていただきました。

慣れているはずの換毛期でしたが今回の一件で改めてウサギにとっては命取りになると思い知らされました。

ただ今回はこのような形でしたが信頼できる先生に出会えて本当に良かったです。

 

先生、スタッフの皆様 ありがとうございました。

 

獣医師より

飼い主さんも今回実感されたように毛球は命にかかわる事があります。

普段から毛玉の処置をしっかりやることが大事ですね。

換毛期の毛の手入れや処置の仕方をアドバイス致しますのでなんでもご相談下さい。

 

獣医師 鈴木院長

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