ウサギの子宮内膜腺癌
- 可愛のオペ室
こんにちは。獣医師の上田です。
今回からは、当院にて手術を実施した患者様の症例紹介をしていきます。
※手術中や臓器の写真を掲載しております。苦手な方は閲覧をお控えください。
症例(子宮腫瘤)
今回紹介するのは、血尿を主訴に来院されたウサギさんで4歳の女の子です。
腹部超音波検査にて、子宮内に複数の腫瘤性病変を認めました。血液検査では貧血も認められたため、当日、卵巣子宮全摘出術を緊急手術として実施しました。

手術時、子宮にはいくつもの腫瘤を認め、左側の子宮で最大約6cmにも及びました。

手術は無事終了し、5日間の入院を経て退院となりました。
摘出した卵巣子宮は病理組織学的検査に提出し、「子宮内膜腺癌」と診断されました。その後は経過良好で、現在も元気に過ごしてくれています。

ウサギの子宮内膜腺癌
ウサギの子宮内膜腺癌は中高齢の雌でよくみられる疾患であり、2歳前から発生することがある悪性腫瘍(ガン)です。進行は比較的緩徐であるものの、進行すると筋肉や腹腔内播種、肺、肝臓、骨への遠隔転移を起こします。転移がなく、手術にて腫瘍を完全切除できていれば予後は比較的良好ですが、転移を認めた場合の予後は非常に厳しいものとなります。
ウサギさんの子宮腫瘤の手術は、当院では数多く実施していますが、中には術後に転移を起こして亡くなってしまうこともある病気です。避妊手術によって予防できる疾患なので、当院では、若齢での避妊手術をおすすめしております。

