症例紹介

こんにちは。獣医師の上田です。

今回は、ワンちゃんにみられる皮膚病である急性湿性皮膚炎(ホットスポット)をご紹介します。

急性湿性皮膚炎とは、強い痒みや痛みを伴って急性に進行する化膿性皮膚炎です。

・症状

下に示すように、膿や滲出液が発生し、べたべた、ジュクジュクした見た目になります。強い痒みや痛みを伴い、ワンちゃんは患部を気にして、舐めたり噛んだりしてしまう事が多いです。悪化すると毛が抜けてしまう事がありますが、普段毛に覆われているため、飼い主様はこの時初めて気づくことも多いです。

・原因

高温多湿な環境や、被毛が密なワンちゃんに起こりやすいといわれています。原因はさまざまですが、ノミなどの寄生虫やアレルギーなどが原因となることがあります。

・治療

滲出液でジュクジュクしているところを舐めたりすることで、細菌による感染も伴っていることが多いため、患部の毛刈りや消毒をして清潔に保つ必要があります。また、細菌の二次感染が広がるのを防ぐための抗生剤や痒みを抑えるためのステロイド剤などを使用します。皮膚の状態によっては薬用のシャンプーを使用することもあります。

・予防

被毛や皮膚が湿った状態が長く続くとかかりやすい病気なので、そういった状態を避けることで、ある程度予防することが出来ます。シャンプーや水遊びした後のドライヤーなどをしっかりするように心がけることが大切です。また、ノミダニの予防をしっかりすることも忘れないようにしましょう。

この数日で急に皮膚の一部をかゆがり出した、怪我をした覚えはないのに皮膚が赤くなり滲出液が出てきた、など、急激に症状が出た場合にはこの疾患である可能性があります。似たような症状がある場合にはお早めにご相談ください。

尻尾に発症した急性湿性皮膚炎

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治療後