針生検
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本日は針生検という検査についてご説明します。この検査は主に体にしこりがあるときに行う検査で、そのしこりが癌、良性腫瘍もしくは炎症のどれから来ているのか調べる時に行います。
具体的な手技としては、そのしこりに細い針を刺してそこの細胞を採取、染色し、何が取れているかを顕微鏡で確認します。これは動物に適切な治療を行うために、多くの動物病院で日常的に行われる非常に大切な検査です。
具体例を説明します。
写真は12歳のトイプードルの後ろ足の肉球に急に出来たしこりです。当院でトリミングの最中にトリマーさんが気付いてくれました。これが何なのか飼い主様と相談の上、針生検を行うことになりました。
結果は皮膚組織球種という良性腫瘍でした。この腫瘍の特徴として、何もしなくても自然消失する性質を持っています。写真は二か月後のものです。無くなっているのが分かります。
もしも検査をしなければ、全身麻酔下で手術をすることになり、ワンちゃんに余計な痛みを与える可能性がありました。
このような検査にはもちろん多少の費用が掛かりますが、そのメリットも多々あります。大切な家族にしっかりとした治療をするために、先生から必要と提案された際は、よく検討してもらえると良いと思います。