コラム

尿道閉塞

今回は猫の尿道閉塞を説明します。

 

この病気は膀胱の炎症によって発生した膿や血の塊、もしくは結石の成分(ストラバイトやシュウ酸カルシウム)が、尿道に詰まっておしっこが出なくなる状態をいいます。

基本オス猫に起きる病気です。

 

症状として代表的なものは「頻繁にトイレに行く」があります。おしっこを出したくても出ないので、違和感から鳴いたりウロウロと歩き回ったりもします。

 

このままの状態が続くと、最悪の場合急性の腎臓病で亡くなることもあるので、このような症状を発見した時は早めの受診が必要です。

 

治療法

詰まりを解除するために、生理食塩水を用いて詰まりを洗い流し、カテーテルという管を通して尿を強制的に出すようにします。腎臓病が酷いときは入院も必要になります。

 

実際に当院であった尿道閉塞の猫ちゃんです。

3歳のオス猫で、数日前から何度もトイレに行くとのことでした。また食欲元気ともに低下していました。

身体検査にて膀胱の拡大を認め、レントゲンでも大きくなっているのが分かりました。

 

すぐに鎮静剤を使って猫を落ち着かせ、詰まりを解除しました。以下が生理食塩水を用いて詰まりを洗い流しているところです。

 

幸いこの猫ちゃんは初期の尿道閉塞で、急性腎臓病までは進行していなかったので、当日退院となりました。以後数週間の薬(ミニプレス)と食事療法(ユリナリーS/O)の継続にて再発せずに元気にしています。

 

この病気は原因によっては繰り返すこともあります。なるべく再発させないように、飼主様との連携をうまくとりながら治療をしていきたいと思っています。

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