猫の縦隔型リンパ腫
- 猫
今日は猫の縦隔型リンパ腫について説明します。
リンパ腫というのは血液の細胞であるリンパ球ががん化したもので、胸の中に発生したリンパ腫が縦隔型リンパ腫です。
このリンパ腫になった猫の大部分は5歳以下と若く、80%はFELV(ネコ白血病ウイルス)に感染していると言われています。
代表的な症状は呼吸困難や頻呼吸です。これは胸の中に腫瘍が占拠することや胸水が溜まることで発生します。
診断にはレントゲンや超音波検査、腫瘤や胸水の細胞診が必要です。治療は抗がん剤が選択されることがほとんどです。
当院で現在治療中の猫を紹介します。
6ヵ月齢 マンチカン オス猫
元気はあるが呼吸が速いとのことで来院されました。上で記入した内容と同様にレントゲン、超音波検査、血液検査を行ったところ、胸の中に巨大な腫瘤を認めました。FELVは陰性でした。飼い主様と相談の上、その後腫瘤の細胞診を行い、縦隔型リンパ腫と診断しました。
後日治療法について相談を行い、今回はCOPというシクロフォスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾロンの三種類を用いた抗がん剤治療を開始しました。
この猫ちゃんの薬への反応は良く、抗がん剤を開始して三週間後には癌は消失しました。
以下が治療前と治療後のレントゲンの写真です。癌の塊が消えているのが分かります。
治療前

治療後(胸の中の塊が無くなり、心臓の形がきれいに見えます)

大規模な報告によると、この癌の生存中央値は抗がん剤を使用した場合、約1年と言われています。さらにこの猫のように癌が完全に消失した場合、生存中央値は約3年にまであがります。ただしFELV陽性のこの癌の場合、生存中央値は極端に落ちて約2~3ヵ月となります。
ちなみに2025.10月現在、この子はもうすぐ一歳になります。3週毎の通院で抗がん剤を行っていますが元気に生活しています。発症した時はまだ6ヶ月でした。FELVも陰性だったため、このまま出来るだけ元気に長生きしてほしいです。

