猫の膀胱のリンパ腫
- 猫
今回は猫の膀胱に発生したリンパ腫についてご紹介いたします。
リンパ腫といのは血液の細胞であるリンパ球ががん化したものです。
診断には超音波検査や細胞診が必要です。
治療法は抗がん剤が選択されることが多く、手術や放射線療法が検討に入る場合もあります。
実際に病院であった猫ちゃんを紹介します。
11歳 去勢済み猫 るなちゃん
元気や食欲はあるが、頻尿が急に始まったとの事で来院されました。飼い主様が持ち込まれた尿を検査すると潜血や細菌を疑う所見があり、まずは細菌性膀胱炎やストレス性の膀胱炎を検討して抗生物質と鎮痛剤を処方しました。
治療後一週間で尿の再検査を行いました。明らかな細菌はいなくなっていましたが、頻尿は続いており、潜血も(+)でした。
念のため飼い主様と相談の上、
血液検査
レントゲン
エコー検査
をさせてもらいました。
以下が正常な膀胱と今回の膀胱のエコー写真です。膀胱の一部が腫れているのが分かります。
正常像

粘膜の肥厚がある膀胱(下の写真の赤い部分が腫れている部分)

頻尿の原因がこの腫瘤の可能性が高く、この腫瘤が何かによって治療法が異なってくるので、飼い主様に同意の上、鎮静下でこの猫ちゃんにペニスにカテーテル(赤矢印)を通し、細胞診検査を行いました。以下がその写真です。腫れている粘膜にカテーテルが入っているのがみえます。

猫の膀胱の腫瘍は珍しく、その中では移行上皮癌というものが一番多いのですが、今回はリンパ腫(中~大細胞型)という血液の癌でした。リンパ腫であれば抗がん剤が有効なので、飼い主様と相談し、UW-25という抗がん療法を開始しました。写真が抗がん剤治療開始8週間後のエコー写真です。膀胱の腫瘤が無くなっています。またこの猫ちゃんの排尿も正常に戻っています。


猫の頻尿の原因として、ストレスや結晶、または細菌性膀胱炎などが代表的ですが、稀にこういうパターンもあります。
治療に対する反応が悪い時は、しっかりと獣医と相談して検査をしていきましょう!
獣医師 松尾

